アマンデーの信仰継承

2025.06.26
NEWS

旧暦の5月9日(今年は6月4日)、アマンデー保存会の会員や地域の住民の皆さんが、奄美市笠利町にある大刈山へ登拝しました。
シマ唄や甚句が奉納され、信仰の継承を願う心が込められた様子が、奄美新聞の記事として大山幸良さんから届けられました。

2025年6月アマンデー保存会が大刈山参拝風景
引用 奄美新聞(2025年6月4日)[https://amamishimbun.co.jp/2025/06/04/56463/]

奄美大島にある「アマンデー(あまみ嶽)」には、古くから語り継がれてきた神話的な伝説がいくつか存在します。

純黒糖やくび木茶、ばんじろう茶などの商品販売を通じてご縁をいただいている、奄美大山自然農園の大山幸良さん(96歳)は、幼少期からその信仰を受け継ぎ、現在はアマンデー保存会の会長を務められています。

このようなご縁から、今回は代表的な伝説の一部をご紹介させていただきます。

▶ 女神「アマミコ」の降臨
アマンデー(あまみ嶽)は、奄美市笠利町にある大刈山の山頂に位置し、奄美大島の開闢(かいびゃく)神話に登場する神聖な場所です。
この地は、女神「阿摩弥姑(アマミコ)」が最初に降り立った場所とされ、古くから信仰の対象として大切にされてきました。
アマミコは、男神「志仁礼久(シニレク)」とともに、奄美群島や琉球列島を創造した神とされています。

▶ 浮島を固定する「立神」の伝説
かつて奄美大島は草木もない浮島だったとされ、アマミコは7つの「立神(たちがみ)」を打ち込んで島を固定したと伝えられています。
その後、日の神、水の神、穀物の種などの自然神を降ろし、奄美大島に繁栄をもたらしたと語られています。

▶ 沖縄・ヤマトへの旅
アマミコは奄美大島を創造した後、島伝いに沖縄へ渡り、最終的にはヤマト(日本本土)へ向かったという伝承も残されています。

女神の降臨にまつわる伝説は、日本国内の他の地域にも見られます。
沖縄・久高島の「アマミキヨ」伝説や、日本神話に登場する「イザナミ・イザナギ」の国産み神話などがその一例です。
こうした伝説は、地域の自然・文化・信仰が融合した物語であり、各地の聖地や祭祀に深く関わりながら、地域の特色を形づくっているように感じます。

おらがまちは、このような信仰が、これからも後世へと受け継がれていくことを願っています。