50年の静寂を破る、黄金色の復活。喜界島「のぼり園芸」が贈る、島風香る小麦粉(第1弾:強力粉)
南国の強い陽射しと、吹き抜ける潮風。 鹿児島から南へ約380キロ、サンゴ礁が隆起し続ける「喜界島」は、世界でも稀有な地質を持つ島です。その島の中でも、特に空に近い場所にある城久(ぐすく)集落。かつて麦の穂が揺れていたというこの地で、半世紀ぶりに黄金色の風景が蘇りました。

この地で土と向き合う「のぼり園芸」の登次雄さんと一幸さん親子。今回は、お二人が情熱を注ぐ、完全無農薬・無化学肥料栽培の小麦粉の魅力と、その個性を楽しむための提案をお届けします。
親子の挑戦と、サンゴの大地「島尻マージ」
のぼり園芸さんが小麦栽培に挑んだのは、琉球大学農学部の知人からの提案がきっかけでした。温暖な喜界島では、本土よりも早く収穫期を迎えることができます。そこで、島の特産である白ゴマの裏作として冬の遊休農地を活用する道を選び、小麦を栽培することにしました。
輸入小麦で懸念されるのがポストハーベスト(収穫後農薬)。 「農薬を使っては輸入小麦と変わらない」。そう考えるのぼり園芸では、正真正銘の〝安全な国産小麦〟を作るべく、農薬や化学肥料を一切使わない栽培を行っています。それは、食の安全を願う私たちにとって、まさに待ち望んでいた食材であることに違いありません。
島小麦の味を決定づけるのは、なんと言っても特徴的な「土壌」にあります。 喜界島の土は「島尻マージ」と呼ばれ、サンゴ由来のアルカリ性土壌。ここにはカルシウムやミネラルが豊富に含まれています。この大地に深く根を張り、ミネラルを貪欲に吸い上げて実った粒は、単なる炭水化物ではなく、島のエネルギーそのものが凝縮された〝ミネラルの結晶〟なのです。

「強力粉」の個性を知る。粘りと弾力は〝命の強さ〟
さて、のぼり園芸さんが栽培する『ゆめかおり』は、分類としては「強力粉」として販売されています。
小麦粉の性格を決めるのは、タンパク質(グルテン)の量です。 「強力粉」はグルテンが多く、水を加えて練ると強い粘りと弾力が生まれます。パンがふっくらと膨らみ、噛みごたえのある食感になるのは、このグルテンの骨格がしっかりしているからです。
『ゆめかおり』はその名の通り、香りが良く、ボリュームのあるパンを焼くのに適しています。特にのぼり園芸さんの小麦は、無農薬栽培ゆえか、粉そのものの風味が強く、イーストの香りに負けない力強さを持っています。

その強い弾力と芳醇な香りを生かすパンやベーグル、あるいは生地そのものを味わうピザなど。小麦本来の甘みを感じる一皿で、ぜひ食卓の主役としてお試しください。
のぼり園芸の 無農薬国産小麦ゆめかおり は当店オンラインショップで取り扱っています。
おらがまちオンライン直売所・Yahoo!ショッピングから、ご利用しやすいショップをお選びいただけます。


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